民家再生計画【パッシブ思考】

『パッシブ』

その訳語は「受動的」とよみます。

20世紀の建築の住まい環境は、建築の外からエネルギーを持ち込んで、「機械により人工で家中に快適さを作る」という事に終始決まっていました。
それは能動的で自然を克服しゆく知恵でした。
しかし、それは地球環境に対し、負荷を増大させる事となってしまった事は否めない。

それとは、逆に伝統的な民家に見られる環境は、基本的には建築的な工夫で防寒・防暑を行う。

これは
全世界共通でその地域の気候風土に配慮し、多様な建築手法がみられる。

各地域にみられる住居を例にあげ大別しますと、

閉鎖系住居
開放系住居

とで分ける事ができるといえます。

砂漠地域では、雨が降らない、気温日較差が大きい→熱に対しての工夫は熱容量の大きな日乾レンガや泥などを用い、熱風を防ぐ閉鎖系住居を用いる。

寒冷地域の、ノルウェーリレハンメルなどでは断熱性、気密性のある、校倉造り(ログハウス)などの閉鎖系住居をもちいる。

サモアなどは、熱帯海洋気候で高温多湿、だが貿易風が吹くので通風を効果的に利用した開放系住居がみられる。沖縄にもこのような開放系住居はよく見られるでしょう。

日本民家は開放と閉鎖を併せ持つが、基本的には開放系で、通風をよくし夏の暑さをしのぐ設計となっている。

このように太陽の光や熱、風や気温の変化などの自然のポテンシャルを発見し、その恩恵を享受する技術としていく意味あいが「パッシブ」にはある。

建築的に気候調節性能を持たせた家を現代の技術にもちあわせたものをパッシブハウス、パッシブデザインなどと呼ぶ事も多い。

時代は、アクティブからパッシブへ・・・

環境時代ですから、設計もパッシブデザインを考えていかなければなりませんね。