古民家見学ツアーの魅力 o様の声

今週日曜日、一般社団法人神奈川県古民家再生協会で

古民家見学ツアー 第2回を開催させていただきます。

この古民家見学ツアーに来られた方々の
アンケートを元に講習内容の充実をはかっております。

(1)印象に残った建物など
・わずか木の皮数枚の厚みの外壁とか、建て方や使用する素材にも厳格に階級があったことは興味深かった。やっぱ下層階級の住まいは質素というか貧しいなあという印象を持ちました。もちろん住まい方は、現代人から見れば"豊か"だと思いますが。
・それぞれに印象のある住宅でした。民家園のホームページを印刷して持って行って、田畑さんの話をそこにメモしたので各々よく憶えています。
・感想になってしまいますが、特によく覚えているのは原家住宅と、馬屋を内包した工藤家住宅(国指定重要文化財!)。前者は総ケヤキ造りの住宅の、梁や柱が放つ物質感と建築年代が比較的浅く建具などのディテールがよく見てとれること。後者はL字型の大きな一帯の空間の中に、雪で閉ざされた冬の間、馬の息遣いを聞きながら人馬が一緒に住み眠る様子が見えたことです。
・自然に曲がったままの材木を見て、建屋の"設計図は棟梁が頭の中に書く"ということで、棟梁の(構造計算など総合的な)技術の高さを窺い知ることができました

(2)川崎古民家園について(つらつらと・・)
・16,17世紀の日本各地の民家を、この数を1か所で見られるのは日本のここだけ、という存在であることで、よいところを知った、という思いです。
・建物の維持管理に相当なお金と、ボランティアの力・知恵も動員していることも知りました。素晴らしい場所です。
・しかし必ずしも隣り近所に住んでいるわけではないわたしには、1回の訪問で得られるものが満足できる量ではない。なまじ古民家鑑定の世界に足を踏み入れたわたしなどがふらっと半日立ち寄って歩いたり、靴を脱いで家に上がっただけでは歯がゆい程に満足が得られないのだ。
・大阪の民博やスミソニアンに行ったことがあるが、本当は"屋内"に移築して保存状態を管理すると同時に、建物のいろいろな部分を見られるように足場や照明や説明をつけてもらえると展示価値が何十倍にも上がると思う。予算あっての話だと分かっているが。
・だからあと5年もしてさらに古民家への関心が高まった時には、古民家の解説書や移築の記録映像や展示方法が重要になると思う。「保存」と「展示」という相反する問題を開設する方法は幾つもある。
・またこの指摘も予算あってのことだが、東北、漁師の家、信越、関東、沖永良部など様々な場所や立地場所から当地に移築され、「建物」としての情報は持ってこられた。これだけでも大工さんやわれわれには価値あることだ。
しかし"建物が在った場所"とは切り離されたために「住処」としての情報はここには、ない(間取りなどに住まい方の手掛かりはあるが)。もちろん元あった場所とて、とうの昔に当時の風景や暮らしが無くなってしまった、ことは十分承知している。


O様アンケートより・・・

古民家に興味をもたれ、古民家の魅力に魅せられた方々の声を
アップしていきます。
古民家見学会では、
毎月さまざまな角度から、古民家の魅力をみて、ディスカッションしあう場となっています。

古民家は、人によって見方が異なり良い刺激の場になっています。
伝統を後世に伝え
後世に残していく事が大切です。