古民家再生シリーズ4【在来工法と伝統工法】

民家の種類には大きくわけると
 
●在来構法
●ツバイフォー(2×4)構法
●プレファブ
 
と大きく3つに別れるといえます。
この3つをさらに幾つか細かく分ける事もできますが、今回は【在来構法】(以下・在来)に触れます。
 
在来は構造的に「軸組構法」と呼ばれ、柱や梁などの軸状の部材により構成される。(2×4には柱は無い。スタッドというのを使う)
在来を2つに大きく分ける●現代的軸組構法(以下・在来工法)
●伝統的軸組構法(以下・伝統工法)
と分けられるといえます。
現代によく見られる在来工法は、簡易ではあるが仕口、継手で骨組み(軸組)をつくり、簡易な分、ボルトや、筋交いで補強しているわけで、一応は伝統工法の意志を継いでいると言えましょう。
 
古民家は伝統工法で、仕口、継手のみで骨組み組んで、補強する金物は使わない。匠の計算と技術が織り成す工法です。
 
【在来工法の特長】
●基礎に設置されたにアンカーボルトと土台を連結
●筋交い、火打で補強
●羽子板ボルト、柱頭、柱脚金物などの金物
●壁の数が多い
 
材が細い分、ガッチリ軸組を補強して。さらに構造壁、構造床で、固め、地震に対抗するという耐震的構造が現代の在来工法といえます。
 
【伝統工法の特長】
●束石という石の上に柱を建てる
●随所に仕口、継手を使い金物を使わない
●足固め、貫を柱間に通し土で壁を塗る
●壁が少ない
 
材が大きいので、木の加工だけで軸を組む事ができ、柱の傾斜復元力や柱と横架材の仕口のめり込み耐力により、地震の揺れに対応する免震的構造が古民家に見られる伝統工法といえます。
 
古民家の伝統工法に隠された知恵をいくつか、順々に紹介していきたいと思います。
伝統工法が忘れ去られた現代の建築に対しての一助になればと考えています。
 
【一般社団法人神奈川県古民家再生協会】http://www.kominka-kanagawa.com